Tiny Whoop のキャノピー制作 ~ バキュームフォーム ~
前回記事のMullet Mod 用に Tiny Whoopの公式で販売されている キャノピー が欲しくなった。が、SOLDOUT。。
ただ、商品ページの動画をみていくと、自作方法が紹介されていた。
①キャノピー取付方法
②バキュームフォームでキャノピー制作
このバキュームフォーム という方法は初めて知ったけど、モデラー界隈では結構有名っぽい。
なお、キャノピーのモールド(原型)は Thingiverseに公開されている。
販売されてるキャノピーを素直に買ったほうが確実に安上がりだけど、SOLDOUTだし、バキュームフォームは今後応用できるかも。てか単純にやってみたかったので実行へ。
バキュームフォーマーをつくる
以前は桃象というバキュームフォーム専用ツールが販売されていたみたいけど、古(いにしえ)のワザなのか、最近は取扱がなさそう。
Kickstarter で FormBoxてのはあったりしたが巨大。。
自作方法はネットに色々あって、- 100均のタッパー
- パンチメタル(or メッシュワイヤー)
- 隙間テープ
- 木製フォトフレーム
ただ、DIY感がハンパなく、自分で作るとしょぼくなっちゃいそうなので、Thingiverse もチェックしてみた。
すると、ダイソンDC35用のバキュームフォーマーがあったので早速 BS01+ で出力(熱が加わるのでABSフィラメントを使用)。
サイズが大きめなので夜寝てる間に。2晩かかったけど完了。
その他の材料やツール
3Dプリントしたバキュームフォーマーに加えて用意したのは、- 木製の枠(102x156mm 枠幅10mm) x 2つ
- 目玉クリップ小 x 4つ
- ポリスチレン板 白 0.3mm 175×300mm
- 掃除機(DC35)
- ヒートガン
木製の枠
一般的なDIYバキュームフォーマーだとフォトフレームで代用することが多いみたい。今回のバキュームフォーマーのサイズだと、内枠 82x136mmが確保できて、額縁が平面のものがあればよかったが、今回は東急ハンズで300x255x5.5mmのMDF板を購入し、制作も依頼してみた。
多分既成品なら「KG判/L判」サイズが合いそう。
Thingiverse のデータに木枠用のテンプレがあり、そのサイズで木枠を制作すればいいのだけど、バキュームフォーマーとの噛み合わせに余裕が少ない気がした。あまりシビアなサイズだとバキュームするときに位置合わせが難しいので、テンプレより1mmだけ内枠の縦横サイズを大きくしといた。
目玉クリップ
5.5mm厚のMDF板 x 2枚 = 11mm をはさむため。手持ちは 小サイズ と 豆サイズ。 小小サイズでもいけるかもしれないが、小が最適だと思う。
ポリスチレン板
バキュームフォームの素材としてポリスチレン0.3mmが扱いやすかった。東急ハンズで3mm 175x300mm \158 を購入し、これを3枚に切り分けて利用したのでキャノピーの材料原価は\53換算。設備費は別途。。
注意
このシートでギリギリ4分割(8.25 x 150mm)できそうだけど、縮むのでギリギリはダメ。。3分割で。
このシートでギリギリ4分割(8.25 x 150mm)できそうだけど、縮むのでギリギリはダメ。。3分割で。
なお、他素材でも端材で試してみたのでメモ。。
素材 | 厚さ | メモ |
---|---|---|
ポリスチレン | 0.3mm | 加熱すると透明になるので、加熱状態の判断がしやすく扱いやすい。 破れてなければ再加熱してやり直しも可。厚さにムラができやすそうだけど。 耐衝撃性が弱く、油類等に対しての耐薬品性に劣るらしい。 東急ハンズで売ってたのが0.3mmだったが、0.5mm のほうが入手しやすいかも。 |
塩ビ | 0.5mm | 熱すると臭い。ダイオキシン問題もよぎってしまい、中途半端な加熱でバキュームして失敗。お試し用に端材を買っただけだったのでヤメ。 |
PET | 0.5mm | 他の素材と比較して融点が高い。 結構加熱したつもりだったが、まだ硬かったようで失敗。それなのにABSで作成したモールドがPETの熱で変形した。。3Dプリントしたモールドは使えなさそう。ヤメ。 |
掃除機
『吸引力の変わらない』ダイソンDC35 を利用。3DデータにはDC35用以外にも、汎用アタッチメントの3Dデータもあるので、違う掃除機の場合も対応可能。
ヒートガン
素材加熱用に。電気コンロを使うのが一般的っぽいけど、手持ちはこのヒートガン。
風が発生しない電気コンロのほうが、均一に加熱しやすいから一般的なのかな?
ただ、Mullet Mod動画でもヒートガン利用だし、自分の結果的にもヒートガンのLowモードでいけたので問題ない。
仕様は風量:(Low)250m/(Hi)500m/min 熱風温度: (Low)50~500度/(Hi)200~600度。
モールドの準備
極薄のキャノピーなのでモールドの積層痕が反映されてしまう。そのため、モールドの表面処理をしといた。といっても、ABSでプリントしたものを、アセトンパックしただけ。
キャンドゥ(100均)で買ったタッパーを使ってアセトン5gで5時間放置。こんな感じにつるつるに。
バキュームフォームする
作業環境。- モールドを網のフタの真ん中に両面テープで固定してセット。
- 掃除機(ダイソン)にバキュームフォーマーをセット。
そのままだとバキュームフォーマーが浮いてる状態になるので、安定するようにテキトーな箱をおいて高さ調整。 - 木枠にポリスチレンシート0.3mmをはさみ、目玉クリップで固定
↑ここまで準備↑ ↓ここから作業↓ - ヒートガンを上向きに設置し電源ON。ポリスチレンシート加熱開始。
- ポリスチレンシートが少し透明になり、たわんできたら掃除機スイッチON
- ポリスチレンシートをバキュームフォーマーへかぶせる
- 掃除機OFF
- ヒートガンOFF
これだと、inductrixのフレームに引っ掛けられないか。。
調べると台を置くのがよいらしいので、、転がってた六角ボルトをはさんで両面テープで固定。
再チャレンジするといけた。下まで巻き込む感じに成型できてる。
ただ、モールドを巻き込んでいるため、毎回モールドの取り外しが必要。なので量産はしづらい。。
バキュームフォームのポイントまとめ
- 素材はポリスチレンが扱いやすい。
- ヒートガンは弱風(Low)で。強風(Hi)だと風力で破れやすい。
- 素材を熱するときはシート全体を均一に。厚みのムラができたり、シートの「伸び」が足りずに整形失敗する。。
- モールドを台の上に置くと精度の高い成型ができる。
- ダイソンD35はスイッチを押し続けている間だけ吸引するのでバキュームフォーム作業に向いてない。。
仕上げ処理
シートからキャノピーを切り出し、穴開け等の仕上げ処理。カメラ用の穴やサイドの取付部分の穴はクラフト用の10mmパンチ、1.5mmパンチを利用して開けた。
穴開けはモールドにかぶせたまま、モールドもろとも加工したほうが「割れ」が発生しにくい。
その後、純正フレームと比較しながら、フレームとの取り合い部分を加工。
最後にアンテナ用の開口部を現場合わせ(注)で切り取る。
手芸用の曲がりハサミみたいなのを使うとやりやすい。
で、完成。元のモールドにかぶせるとこんな感じ。
純正のキャノピーよりも軽くなったものも。DIYなので0.22g~0.38gほどまでムラはある。
注意
前回のMullet Mod用カメラマウントはVTxを置くところに角度が付いているため、キャノピーの上端より、アンテナが高くなってしまってアンテナ保護として機能しない。。
なのでアンテナ設置部分を削り取ったものを利用した。
前回のMullet Mod用カメラマウントはVTxを置くところに角度が付いているため、キャノピーの上端より、アンテナが高くなってしまってアンテナ保護として機能しない。。
なのでアンテナ設置部分を削り取ったものを利用した。
装着!
重さは18.84g。最初とほぼ同じ重量となった。
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キャノピー自作しましたか?
返信削除私もやりたいけど、3D printerもなく金型?も作れずお手上げ状態です。
型を取らせていただけないでしょうか?
yoshiさん、お久しぶりです。
削除mulletmod用の型をお渡しするのは全然構わないのですが、どうしましょ。。
とりあえず、メルカリとか使えばいいのかな?と考えて初めて出品してみました。
https://item.mercari.com/jp/m411345091/
送料だけでもいいかと思ったのですが、メルカリの最低料金が300円だったので300円に設定してます。
これでよろしければ落札して下さいm(_ _)m
yoshiさん。
削除「らくらくメルカリ便」を使ってみたかったので、送料込300円に変更しました。