3Dプリンター「BS01+」にAstroBox v0.9 を導入 ~前編:基本~
BS01+はPCとUSB接続して利用するのがキホン。ただ、これだとBS01+に接続したPCからじゃないと操作できない。
なので、スマホから手軽に操作するためにワイヤレス化した。
そのためのソフトウエア候補としては OctoPrint と、AstroBox のどちらかになるとおもう。
octoprint
OctoPrintは3DプリンターをWiFi化するときのデファクトスタンダードなオープンソースのソフトウエア。AstroBox
AstroBoxはこのOctoPrintをベースに、- アクセスポイントを利用した初心者にも簡単な導入方法
- モバイルファースト/モダンなUI
- ThingiVerse や cgtrader との連携
- 外出先からの操作も可能
- クラウドスライサ搭載で、STLを直接印刷できる(gcodeではなく)
恐らくOctoPrintのほうが情報もユーザも多いのでカスタマイズはしやすそうだけど、
スマホから手軽にが主目的なので、Thingiverse や cgtrader との連携が魅力なAstroBoxを導入することに。
注意
AstroBoxはまだ発展途上であり、旧バージョンで出来たことが、新バージョンでできなくなったりしてる。
とりあえず、大きな違いは下記。カメラ回りが大きく違う印象。
AstroBoxはまだ発展途上であり、旧バージョンで出来たことが、新バージョンでできなくなったりしてる。
とりあえず、大きな違いは下記。カメラ回りが大きく違う印象。
- 旧0.8系は RaspberryPi3 に未対応(具体的に何が未対応かは不明)
- 旧0.8系は ストリーミング撮影 に未対応
- 旧0.8系は RasPi camera が使えるが、新0.9系は RasPi Camera 非対応。
- 旧0.8(3)時点では WebUIにバグがあり、スマホ上で操作できない(アコーディオンメニューが開かない)項目がある
→ 0.8(8)では修正済。 - 新0.9系は RaspberryPi3 に対応らしいが、ビルトインのWiFiとは別にUSBのWiFiドングルが必要。
実現したいことは、、
- 前編
- スマホから3Dプリント (WiFi経由でも、クラウド経由でも)
- ThingiVerse や cgtrader の3Dデータを直接印刷
- STLファイルをアップロードして利用
※ 素の OctoPrint だと、gcode(スライス後のデータ)しか使えないorスライサーを組み込んでもRasPiだと重そうので結局PCが必要。 - BS01+ と RasPi を一体化
- 中編
- 造形状況をWebカメラで監視(タイムラプス撮影も)
→カメラの上下反転設定とかも
→ 反転設定自体は強引にできたけど微妙。。物理的に回転させたほうがいい。 - RasPi と Webカメラ用のアタッチメントを作成して、BS01+と一体化
- 造形状況をWebカメラで監視(タイムラプス撮影も)
- 後編
- カメラ監視用に印刷中だけLEDライトを自動点灯
→ 温度調節も兼ねて、キャビネット内にBS01+を設置してるから暗い。。。
- カメラ監視用に印刷中だけLEDライトを自動点灯
Before → Afterのイメージ図
準備したもの
RaspberryPiの基本セット
RaspberryPi用のカメラ(中編で使う予定)
オプション(後編で使う予定)
aitendo部品/リンク | 備考 |
---|---|
N-Ch MOSFET 2SK2541 | GPIO(3.3V)で利用できる1.5Vの低電圧駆動なもの。 |
L型ピンヘッダー1列 | 3P分利用 |
L型ピンヘッダー2列 | 1P分利用。 |
金属抵抗 | 10kΩを利用。 |
ちなみに:3Dプリンター回り
当然BS01+。Raspberry Piとの接続用に短いケーブルは新規購入した。AstroBoxをインストール
AstroBoxのRasPiイメージ を Win32 Disk ImagerでSDカードに書き込んで、Raspberry Pi を起動。RasPi2やRasPi3に下記のようなrtl871xdrvドライバ対応のWiFiドングルを装着してれば、自動でWiFiのアクセスポイントになる。
この場合、SSID「astrobox-xxxx」にWiFi接続した後(PASS無し)、ブラウザで http://10.1.0.10 へアクセスしたら、後はウィザードに沿って進めるだけでOK。
(説明は省略。アカウント作らないとThingiverse連携などの機能が使えないので入っておくべき)
この Raspberry Pi に一度もログインすることなく、アクセスポイントにつなぐだけで初期設定が簡単に完了できる ってのが、AstroBoxのメリットの一つ。
ではあるが、、今回はRaspberry Pi3を使おうと思ってたので、
ビルトインのWiFiを使わずに、別でWiFiドングルを購入するのは納得いかない。
なので違う方法で初期設定をした。
AstroBoxのイメージファイルに含まれているデータをみると、
- hostapd のバージョンが古く、Raspberry Pi3のビルトインWiFi用のnl80211が使えない
- あくまで追加のWiFi用ドングルを想定しているため、設定はwlan1用(wlan0でなく)
どうせ、アクセスポイントは初期設定でしか使わないので、下記処理をして自宅の既存WiFiにつなげた。
/etc/network/interfaces
NetworkManagerを使っているようだったので、そっちに設定をまとめるため、/etc/network/interfacesを空に。$ sudo mv /etc/network/interfaces /etc/network/interfaces.bkup $ sudo touch /etc/network/interfaces
WiFi設定
nmcli dev wifi connect SSID password SSID-KEY ifname wlan0
IP固定化
ここでは、下記を想定。IPアドレス/マスク | 192.168.1.15/24 |
Default GW | 192.168.1.1 |
DNSサーバ | 192.168.1.1 |
nmcli connection mod SSID ipv4.method manual ipv4.addresses "192.168.1.15/24 192.168.1.1" ipv4.dns "192.168.1.1※ 緑文字はGW
※ 青文字はDNS これは/etc/resolv.confにも反映される
その他
ついでに- raspi-configで、国際化設定(時刻とキーボード) ※コンソールで文字化けするのがイヤなのでロケールは変更せず
- アップデート関連
apt-get update apt-get upgrade apt-get install rpi-update rpi-update
- ntp有効化
systemctl start ntp systemctl enable ntp
で、初期設定開始
ここまで来れば、アクセスポイントがある場合と同じ。上記で設定したIPアドレス http://192.168.1.15 へブラウザからアクセスしたら、後はウィザードに沿って進めるだけでOK。(説明は省略)
なお、アカウントを作らないと、Thingiverse連携などの機能が使える クラウドアクセス ができないので作ってアカウント作成すべき
→ → → → → →
アップデート
配布されているイメージファイルは v0.9(0) のもの。その後のアップデートはWeb管理画面上からできる。アップデートは上記で設定した ローカルアクセス な http://192.168.1.15/ から。
「Settings」→「Software Update」で実施すればよい。
Raspberry Pi の取付
ちゃんと配置場所を決めて取り付けることに。早速、AstroBox + ThingiVerseを利用してプリントした下記のケースと、自作したハンガーを、3Dプリンタで出力。
パーツ画像 | 説明/Thingiverseへのリンク |
---|---|
Compact Raspberry pi B+ case derivative GPIOピンの穴と、標準カメラのフラットケーブル穴がある薄型のRaspberry Pi B+/2B/3 用ケースを探してコレを採用。スッキリデザイン。 | |
Rasberry Pi 用マウントブラケット(自作 ) 上記のケースとBS01+の形状に合わせて作成。
BS01+は前、左、右で、それぞれ微妙に筐体の形が違うが、これは右側面用。
|
とりあえずここまでで、、
3Dプリンタが非常に扱いやすくなって、利用頻度は増加しました。やっぱり、ThingiVerse連携&スマホ操作ができることはめちゃめちゃ大きいです。
なので、BS01+を含め、WiFi経由で造形できないプリンタには是非ともAstroBoxは導入するべきだと思いました。
BS01+を購入してすぐ、「ダヴィンチ Jr. 1.0w 無線LAN対応モデル」が発売されて、ちょっと後悔しかけたけど、BS01+で問題なし。
自動キャリブレーションはうらやましいけどw
あとは、2016年8月発売予定のUP Mini 2 もよさそう。
なお、まだAstroBoxにはちょっと痒い所が残っていて、今後のアップデートで改善されることを期待中。
まだちょっと痒い所
- スライサーで拡大/縮小/回転ができない。できれば分割とかできるとうれしいが、それは贅沢か。。
今回プリントしたRasPiケースだと、PCにダウンロード→Repetier で回転して保存→AstroBoxへアップロードの手間があったし。 - Thingiverse との連携はキーワード検索経由のみ。
利用時にThingiverseのID/PASSの入力が必要なのに、「My Collection から選択して印刷」 とかができない。非公開の自分のデータにはアクセスできるのでそれは◎。 - カメラの向きの反転/回転がWeb管理画面からはできない。
とりあえずAstroBoxの最低限の機能はこれでOK。
次回はカメラ回りの調整を。
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